2012.12.20-21 八ヶ岳 南沢小滝と阿弥陀岳「北西稜」

2012.12.20-21 八ヶ岳 南沢小滝と阿弥陀岳「北西稜」
IV+〜V-(南沢小滝)、 2級上 / M5〜6(IV/A0〜A1)(阿弥陀岳北西稜)
テント泊 アイスクライミング、岩稜・ミックスクライミング(ソロ)


ここのところ氷ばかり登っていたのでたまには岩のルートに。
最高のコンディションだったので、通常人工登攀となるピッチをドライツーリングで越えられて満足。
平日の、誰もいない静かなクライミング。


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ゆっくりと家を出て美濃戸まで。
美濃戸口からすぐの下り坂が凍っていて滑りまくったので、あわてて橋のたもとでチェーンを装着。
結果、その坂だけ危なかっただけでした。


今回は阿弥陀北西稜がメインですが、
へたくそなアイスの練習もしないといかんなってことでついでに氷も少しだけ登ろうと、
1日目は南沢を南沢小滝まで。

2050m付近の左岸に南沢大滝・小滝への明瞭な踏み跡があります。
今年はなんだか寒いんだか暖かいんだかってかんじで、小滝はじゃぶじゃぶと水が流れていました。
5〜6本登っていると夕暮れになり、びしょ濡れのロープもかちこちに凍ってしまいました。


DSC01970.jpg



さて、2日目、アイゼンの前歯を縦爪から横爪に変え、夜明け前に出発。
目指す北西稜は下の写真の左側のスカイライン。(下山時に撮影)
上部の垂壁が核心です。


DSC02023.jpg



とりつきは行者まで15分くらいのところ、2270m付近。
赤テープとロープがはってあります。(下山時に撮影)
ここ以外にも2270mより下、摩利支天沢出合いより上のところに樹林に入るトレースが2,3ありました。
樹林帯の中で合流していたので適当に行っても大丈夫そうです。


DSC02022.jpg



上の取り付きから入ると、右へトラバース気味に樹林帯の登りとなり、
下の写真のような小さい沢を2つ超えて行きます。


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そこからはやや急な樹林の尾根をひたすら登っていきます。
この日はトレースがあったので、楽させてもらいました。
しばらく行くと小さな露岩にでるので右から巻いてあがります。
このあたりで視界が開けてきます。


DSC01975.jpg


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先には上部岩壁が見えてきます。


DSC01979.jpg



少し行くと小ピーク、というか狭い平らな部分につき小休止。風がでてきます。
ここからはナイフリッジを進みます。リッジの右側を歩いていく。
雪多めの草付きミックスです。
ときどき雪で悪い部分がありますが、ソロだとリッジの確保は大変なのでロープを出さずに進みます。


DSC01987.jpg



リッジを上からふりかえる。


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リッジの突き当たりに真新しいペツルボルトのうってあるバンドのビレイ点があります。
ヒロケンさんのトポでは4Pのスタート地点です。
そこからバンドを右に10mほど行くとまた1つペツルがあったのでここから登攀スタートとしました。


4P目は楽しい草付きミックスでアックスを打ち込んで登っていきます。(III級)
30mほどのピッチで支点は2つとれればいいところ。
とったラインが悪かったのか、カムもナッツも使えませんでした。


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4P目、上から。


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5P目も同じような草付きミックスの登り。(III級)


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5P目上から。ここも10mはランナウトします。


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5P終了点は垂壁下のバンドにばっちりありますが、そのまま6P目に進みました。
6P目は垂壁を左にトラバース。(IV級)
バンドとはいいますが、雪がのっており、どこまでがバンドかわかりません。
ぐずぐず崩れながら恐ろしいピッチ。とはいっても残置ピトンと灌木でそれなりに支点はとれます。
トラバースを終え、左上に5mほどあがって、ペツルのある狭い場所でハンギングぎみビレー。
ソロなのでふたたびトラバースを戻って登り返しましたが、精神的に大変でした。
そんな時はいきものがかりの「帰りたくなったよ」を口ずさみながらトラバース。


6P目、上から。


DSC01999.jpg



7P目、下部。一段あがってバンドを右へ凹角の下まで行きます。


DSC02000.jpg



7P目後半、核心部。傾斜ははじめ緩めから、だんだんと立っていきます。
ホールドが薄いのでグローブでは困難となり、通常あぶみ、もしくはA0で登られています。
それでも支点が山盛りあり短いので、思い切ってドライツーリングで行きました。

スタンスが乏しいので結構シビアな、めずらしくクライミングらしいピッチです。
アイゼン、アックスとお友達になれているかがポイント。
ミックスのグレードは知りませんが、某ガイドさんによるとM5〜6とのこと。


DSC02001.jpg



上から。最後はガバをとってマントルして稜に上がります。
よく頑張った。


DSC02002.jpg



稜にでるとすぐペツルアンカーが2つあって終了です。
ここから懸垂して登り返しましたが、フォローとなる2度目はリードのときよりもはるかにスムーズに登れ、
ロープのありがたみをあらためて思い知りました。
登り返し時にはクラックにアックスをつっこんでジャミングなどしていろいろ試してみました。


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このあたりからは前回行った、峰ノ松目沢周辺や横岳西壁がよく見えます。


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終了点からは草付き、雪の斜面をひと登りで稜線の登山道にでます。
そこから5分ほどで阿弥陀岳山頂へ。どこが摩利支天かはわかりませんでした。


DSC02012.jpg



ピークからは今日もまた南、中央、北アルプス全て見えて最高の景色でした。


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下りは阿弥陀岳から中岳の急斜面の雪壁を後ろ向きでおりて、
中岳沢をなかばグリセードな感じで行者小屋まで滑り降りる。
中岳沢は表面がしまっており、この後大雪が降ったら雪崩れそうです。


それにしても登り5時間・下り30分と、なんと無駄なコトをしているんでしょう。




オススメ度 ★★★★☆(北西稜)

ラッセルがなく、風もなかったのでおいしいところだけいただいちゃいました。
核心部分をドラツーで登るとラッセル、リッジ、ミックス、ドライと変化がありとても楽しいルートです。
中山尾根よりも少し難しいです。
風の弱い日がオススメ。



参考タイム
1日目:美濃戸(1時間)南沢小滝(テント泊)
2日目:南沢小滝前(1時間)登山道上、北西稜取付(1時間)小ピーク(20分)ボルトテラス(3時間)終了点(20分)阿弥陀岳(30分)行者小屋(30分)南沢小滝(45分)美濃戸


トレースありでラッセルがない場合。
通常、取り付き〜小ピークまでは2、3時間はかかると思われます。

装備
テント泊装備一式、ソロイスト、10.2mm/50mロープ、スクリュー4本(南沢小滝用)、カム半セット(使用せず)、ナッツ半セット(使用せず)、ピトン各種(使用せず)

参考 チャレンジ!アルパインクライミング 南アルプス・八ヶ岳・谷川岳編








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ジャンル : 趣味・実用

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No title

以前からブックマークしてたのですが初めてコメントします。
ソロはチキンハートなのでやりませんが、写真を見ていると非常に臨場感を感じます。
特にコメント書くこともないのかなと思ってましたが読者がいるということでよろしくお願いします。

コメントありがとうございます。

コメントありがとうございます。とてもうれしいです。
私なんて恐がりのうえに寒がりで、あきらめの早い人間です。
ソロは心細いときもありますが、よそ見せずに山に向き合えるので楽しいです。
これからもなるべくたくさんの写真をのせていきますので、よろしくお願いします。
プロフィール

のら

Author:のら
 
のらクライマー。

登山歴たぶん10年目、
のら歴も同じく。

無所属のらクライマー。
あいかわらずビレイはできません。

いつもジムのボルダーで練習しています。
外のボルダーやショートルートは登ったことがありません。


最高グレード(ジム)はもう何年も更新されません・・・。
 ボルダー:2段、OS 1級
 ボルダー長もの:5.12b、OS 5.12a(年2,3本やるだけ)



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